うちの名前は、 。うちは、好きな人がいる。でも、好きな人にも好きな人がいる。好きな人の好きな人にも好きな人がいる。でも、この人は両想いだと思う。というより、両想いになって欲しい。だって、好きな人の好きな人は、うちの親友やから。


杏 「おはよう、。」
 「おはよう!昨日は楽しかったなぁ。」
杏 「うん。そうだね。」
 「また、ストリートテニス行こうなっ。」
神尾 「えっ?昨日、ストリートテニスに行ったの?」
杏 「うん。」
 「アキラ君も誘えば良かった〜。」
杏 「今度行くときは、アキラ君も一緒に行こうね。」
神尾 「あぁ、うん。」


わかった人は、わかったと思うけど、うちは、アキラ=神尾 アキラ君が好き。で、アキラ君は、杏=橘 杏ちゃんが好き。そんでもって、杏ちゃんは、他校の桃城 武って人が好き。みんな中2。


 「いや、ホントに昨日は、楽しかった!」
杏 「、ホントに楽しそうだったよね。」
 「杏ちゃんこそ〜。っていうか、桃城って奴が来てたから、なんでしょ?」
杏 「別に、そういうわけじゃ・・・!」
 「照れない、照れな〜い。」
杏 「は、どうなの?」
 「何が?」
杏 「とぼけたって、無駄。アキラ君のことよ。」
 「あぁ・・・。まぁ、それはそれ。これはこれ。」
杏 「何それ?・・・まぁ、頑張って!」
 「杏ちゃんこそ!」


神尾 「昨日、ストリートテニスに行ったんだよね?」
 「うん。杏ちゃんと。アキラ君も誘えばよかったワ。」
神尾 「他にストリートテニスに来てた奴は・・・?」
 「もちろん、いたよ。青学の越前君と・・・、桃城。」
神尾 「やっぱり・・・。杏ちゃん、楽しそうだった?」
 「うん。とっても。」
神尾 「そっか・・・。」
 「落ち込むなって!桃城って奴よりも、アキラ君の方が杏ちゃんと仲良しなんやし、チャンスは、いくらでも、ある!」
神尾 「ありがとう、ちゃん・・・。」


杏ちゃんの応援をしつつ、アキラ君を励ましつつ、自分を責めつつ・・・。毎日、そうやって、過ごしていた。だって、うちらは親友やから。自分が我慢して、2人が幸せになれれば・・・。でも、現実は、そんなに甘くはないってこと、わかってた。


神尾 「ちゃん。俺、自分の気持ちを素直に伝えてみるよ。」
 「何?告るん?!」
神尾 「うん。」
 「さすがは、うちの親友やネ。頑張って来いや!」
神尾 「おぅ!」

とは、言ったものの・・・。結果は、わかってるも同然で・・・。

神尾 「・・・ダメだった。」
 「そっか・・・。」
神尾 「やっぱり、杏ちゃんは桃城の奴が気になってるらしい・・・。」
 「やっぱり、そうやったんか〜・・・。」

当たり前。アキラ君には悪いけど、それは本人から聞いてた。それに、もし杏ちゃんが「O.K.」って言ったなら、それは、うちへの裏切りやし・・・。

神尾 「はぁ〜・・・。」
 「まぁ、落ち込みたい気分はわかるけど、ここで、落ち込むようじゃ、うちの親友として、そして、杏ちゃんの親友として失格!」

杏ちゃんの親友、今のアキラ君には少し、辛い言葉かも・・・。うちも、自分で言ってて、辛いから。アキラ君の親友、っていう言葉。

神尾 「失格・・・。」
 「そう、失格。自分の気持ちを伝えたことに意味があんの。」

この言葉、そっくりそのまま、自分に返すワ。

神尾 「・・・。ありがとう、ちゃん。おかげで少し、楽になった。」
 「全然、楽になった顔になってないけどネ。」

この言葉も、自分に返す。・・・わかってる。アキラ君は、友達以上の関係だけど、恋人未満の関係だってことぐらい。そして、それは一生続くってことも・・・。

神尾 「・・・って、どうしたの?」
 「なんでもないって・・・!」
神尾 「なんでもないのに、泣くわけ、ないだろ。」

ごもっとも。でも、言えない・・・!いや、言っちゃいけない。今、言ったら、反則や・・・!

 「・・・うちは、・・・・・・・・・。」

アカン!今言うたら、きっと、アキラ君が余計に傷付いてしまう・・・!

 「前から・・・・・・・・・。」

わかってんのに、勝手に口が・・・!

 「前から、アキラ君のことが・・・・・・、好き・・・でした・・・・・・・・・。」
神尾 「・・・・・・・・・。」

うちは、アホや・・・。

 「ゴメン!今の、聞いてなかったことにして・・・!」

自分で言ったのに、何を今更・・・。

神尾 「いや・・・、ありがとう。でも、今の俺には返事ができない。」

うん、わかってる。なのに告った、うちが悪いねん。だから・・・。

 「いいよ。返事なんて・・・。一生、言わなくていいから・・・。だって、返事はわかってるしネ。」
神尾 「・・・わからない。」
 「何が?」
神尾 「返事は、俺にもわからない。ただ、今は返事ができない。・・・でも、ちゃんが待っててくれるなら、俺は、必ず返事をするよ。」
 「でも、杏ちゃんは・・・。」
神尾 「さっき、フラれたから、もうキッパリ諦めたよ。これからは、ちゃんと2人で、杏ちゃんの応援をするつもり。」
 「アキラ君・・・。」

ホント、アキラ君は優しい・・・。優し過ぎる・・・。

神尾 「だから、いつか、必ず返事をする。いい返事が出来ればいいと、自分でも思う。・・・ただ、しばらくは期待して、待ってて。」
 「ありがと・・・。」

やっぱり、諦められないワ。ゴメン、自分。・・・・・・・・・、うち、いつまでも、期待して待ってるから。・・・でも、しばらくは、2人で杏ちゃんを応援することに、専念するワ。













 

勝手に、杏ちゃん→桃城、みたいになってて、すみません・・・;;
私は、神尾→杏⇔桃城(神尾くんの片想い、桃・杏の両想い)っていう状況の神尾くんが特に好きでして・・・。複雑な気持ちです(笑)。
神尾くんを応援したいけど、杏ちゃんも応援したいという、何とも矛盾した気持ちですね!
そんな気持ちを話にしてみました(笑)。

まぁ、話的には微妙だと思いますが、私は杏ちゃんも好きなので、この話で杏ちゃんとの絡みも書けたのが嬉しいです、はい。
むしろ、もっと杏ちゃんの登場を増やしたかった、という気持ちすらあります(笑)。